月別アーカイブ: 2017年11月

この人凄い!- その1

御徒町の会社で働いていた頃、仕事のお使い

で取引先の職人さんを訪ねたことがありまし

た。 凄く腕のいい職人さんで、常々こんなに

綺麗に作れたらいいなぁ。。と尊敬していま

した。

「サイズ直しを預かってきました。」と

お部屋に上がると、

足の踏み場がない程床に色々なものが散乱し

ていて、びっくりでした。

その職人さんも、思わぬ来客に慌てていて

気の毒でしたが、、

どうしてこんな散乱した仕事場からあんなに

綺麗でキチッとした仕事が生まれるのか、、

不思議でした。

仕事だけに集中しているからかも

しれませんね。

ところで、彼の仕事の何が凄いかというと、

石が入るメンズリングなど、分厚い金属の塊

から、ほぼ削り出して作るところでした。

あまり見ない作り方です。その上、作業が

凄く綺麗!  まぁ、マニアックな感激です

けど。

パーツを作ってから組み立てるのと違い、

ちょっとでも削り過ぎたら、それで終わり、

最初からやり直しとなります。

完成までの構図がキチッと組み立てられて

いて、技術がないと出来ない事なのです。

仕事の綺麗さとお部屋の汚さとのギャップ

が、衝撃的に残っています。

もう一つびっくりしたのは、

シルバーのロー付でも火を入れて800度C近く

になるのに、素手でシルバーを掴み、

ロー付してみせてくれた事です。火傷しない?

そして、その後は素手で希硫酸に浸し、

酸洗いをするのです。「薄いから(希硫酸

が)大丈夫。」と言っていましたが、

こんな危ない事する人に初めて会いました。

昔は希硫酸を使っていましたが、

劇薬ですから、今はドラッグストアで買う事が

できません。別の薬品を代用しています。

熱した地金を希硫酸に入れると、数滴が

飛び散ることがありましたが、

いくら水で割って薄い液でも痒くて

たまらないものです。何のために素手で?

職人さんって、心根の優しい頑固者が

多い印象なのですが、

仕事、習慣共にピカイチでした。

お元気かな ⁈ ✨

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デザインするとき。。追加

自分の経験や、好きな物、感覚からしか

デザインは浮かばないと思うのですが、

稀に、コンテストや新作を期限付きで

ずーっと考えていると、

考えもしなかったデザインが

フラッシュバックする事があります。

眠りにつく時や、ぼんやりしている時に。

それも、完成品・フルカラーの立体画像で❣️

そして、わたし的には、かなりイケテイル

のです。

一瞬で消えますから忘れないようにします。

でも、それは本当に稀で、

もしかしたら、期限を目前に

強迫観念に迫られて、潜在意識が画像を

生み出したのかもしれません。

これでいい!デザイン完了!!にして

いるかもしれませんが。。

以前、知合いのデザイナーさんにお訊ね

したところ、

「あら。わたしも有ります‼️」との

返答がありましたので、わたしに限った

事ではないようです。

とは言え、そんなに頻繁に起こる訳では

ないので、色々考えた結果にだけ、

ご褒美のフラッシュバックが来ると

思うようにします。

因みに、フラッシュバックは過去のトラウマで

起こるようですが、軽く記憶の修正をする事も

あるらしく。。こういう現象なら大歓迎です。

普段よく参考にする資料としては、

海外の街並みに見る建築物の一部や装飾

があります。

ほかは、植物のラインなど。

感激して、沢山見て心にストック

しないと生み出せないですね。

以上、

思い出した追加です。

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デザインする時

最初にお客様とデザインを打ち合わせる時、

ユーザーのお客様に言葉で説明するのは分かりにくいですから、ラフスケッチ、参考写真などをお見せします。場合によっては、サンプルや途中経過を見ていただきます。

今は、CAD画や3Dプリンターで完成品に近い提示ができますが、

最終的に金属になり、磨かれ、石がセットされた完成品を想像するのはお客様には難しいかもしれません。

オーダー、リフォームの場合、できる限り多く、好みやご要望をお聞きして考え、セッションのように提案していきます。

COLON.オリジナルの商品を作る時は。。

今は、大半は一点限りの石使いで、その石を生かすデザインを考えるので、石や素材を見て、構想を練ることが多くなりました。イメージが決まったら、工程を考え、作業にかかります。作りながらデザインを吟味していく感じです。

考えたデザインは自分で作るので、デザイン画を起こす必要がなくなりました。

試作をして、機能やデザインを確認してから本作業にかかることもあります。

私の場合はひどくアナログな方法で、頭の中と、作業の中でデザインの立体化をしています。

金属の厚み、石の形・深さや特徴を自然に考慮することが、習慣になっていて、それを元に作業の順序を決めるので、デザインをイメージし、作業しながら完成度を高めていきます。

御徒町・長岡で仕事をしていた頃は、主に企業やデザイナーから依頼されたジュエリーの原型を作っていましたので、いつもデザイン画が在り、その絵のイメージ通りに作るようにしていました。

デザイナーさんは、何より商品のコンセプトやイメージを大事にしなければいけません。

もし、機能を優先して考えるとデザインが進まない場合はデザインの巾が狭くならない為にもイメージ通り表してから、機能を考えてもいいのでは?と思います。

ディテールは大事なので、作り手に充分に伝えられるように、テクスチャーや細部まではっきりとイメージするのがいいです。

また、実際に作る人もデザインセンスが必要になります。

私自身は、作るデザイナーまたは、デザインするクラフトマンだと思っていますので、出来るだけ作りながら進めるようにしています。

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仕上げ。。

日頃、作業で金属に触る感覚としては、

Ptは粘りっこく、

Goldは硬めでさらさらしていて、

Silverは柔らかめでさらさらしていると

感じます。

なので、その特徴を考慮して仕上げていくと

いいです。

平らな面は平らに、丸い面はまるく

なるべく形を崩さない様に気を付けて!

が基本ですね。

ですが、それが難しいです。

工場で細工を教わっていた頃、平らな面を、

炭で研ぎ仕上げる、伝統的な「炭研ぎ」と

言う技法を見たことがあります。

私も試してみましたが、平面は段々平面では

なく波打つ面になりました。

砥石で包丁を研ぐのと同じで、炭を持つ手が

ブレてしまうとブレた面ができてしまうの

です。

平面の仕上げは、順を追ってペーパーヤスリ

で仕上げるようにしています。

平らに磨く機械も有りますが。。

シルバーの場合、仕上げる際、熱が掛かると

表面に被膜が現れる事があります。

「ヒムラ」と言います。

表面の熱がシルバー925などに含まれる

銅に反応して起こります。

ムキになって羽布などをかけると

更に被膜が広がります。

熱を掛けない様に冷静に少しづつ磨くように

しています。

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シルバースミス の つぶやき・ロー付け編 ❣

 

今日はクラフトマンとして、少し専門的な話をします。

個人的な見解ですが、シルバーのロー付け (火で熱し、貴金属などのパーツを接続すること) と仕上げは、金やプラチナの作業よりも難しく感じます。

ロー付けとは。。 貴金属のAとBのパーツを接続する際、AとBパーツの接続部分にロー材を置き、そのロー材をバーナーで熱し熔かし、A・B間の接続部分に流して繫ぐことです。

その時、ロー材はAとBの本体よりも熔解温度が低く調合されているので、失敗しなければ本体よりも先に熔けます。

それとは別に、AとB自体の接属面同士を熔かして接合することを「溶接」といいます。主に鉄・ステンレス・チタンなどで使われる方法です。

ジュエリーの場合、そのロー材が熔けて、本体A,Bの間に流れるためには、本体の温度もローが流れる温度に上げる必要があります。

シルバーのロー付けが他の貴金属より難しいと感じる理由は。。 シルバーは熱伝導率が高いので、接続部分の1か所に火を当てても金属本体の熱が散って、火を当てたスポットの温度がなかなか上がりません。その為、接続部分だけでなく広い範囲の金属(地金)を熱しないとローが流れないころです。

何ケ所かのロー付け部分が密接している場合、一気に全部をロー付けできるという利点はありますが、接続済み部分が、次のロー付けで一緒に熔けて壊れる、または動いてしまうというリスクがあるからです。

その為、順を追った作業が多いシルバー品には、熟練したロー付け作業が要るのです。

繰り返し同じ部分に熱を当て過ぎると、ロー材はカサカサに枯れてしまい流れなくなります。

綺麗な商品を作るには、高いロー付けスキルが必要なのです。

私はシルバー、ゴールド、プラチナを扱います。

どの金属にも特性に合わせた作業が要りますが、シルバーのロー付けに関しては、特に組み立て手順を練ってから取り掛かるようにしています。

次は、仕上げについてつぶやこうかなと思います。

では、続く。。

 

 

 

 

 

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