月別アーカイブ: 2018年1月

最初のスリランカ- ①

この話は、何度も帰国後のボランティア体験談として色々な場所でお話ししているので、すっかりこのブログでも書いていたかと思っていましたが、まだお話ししていなかったと気づきました。

今までとは、少し違った角度から書いてみようと思います。

JICAシニア海外ボランティアで、スリランカのコロンボ郊外のモラトゥア大学・建築学部内に新設されたデザインコースで2年間(後にプラス2年間)大学生たちにジュエリーの実習を教える機会を得ました。

JICAでは、派遣前の研修がありますので、実質的には3ヵ月程は今までの仕事から離れ、派遣地に向けたオリエンテーションや主に語学研修、文化、生活を事前に学びます。

私はそれまでそれほど長く仕事から離れたことがなかったので、ジュエリー作り(作業)をしないのは、訳のわからない不安とストレスがありました。

コロンボに渡ってからも語学研修があり、当時はスリランカの内戦は奇跡的に平和協定が守られていたので2度目の2年間と比較すると、自由さがありましたが、安全対策は必須でした。

私は、日本と違った環境は楽しめるタイプなので、大学生とのコミュニケーションや暮らしは楽しめましたが、仕事のスキルを伝達に来ているのに仕事ができないというのは何よりもいらいらすることでした。

その後、大学には予算が無く、施設も無かったので、まずは仕事ができる環境を整えるところから始まり、自分が納得できるような環境ができたのは、派遣期間完了の少し前という状態でした。

そんなことから我慢することが多く、最初私も悪気なく「発展途上国だから」と言っていましたし、日本は色々な意味で発展先進国と思っていました。

日本では、「発展途上国」という言葉を使いましたが。。今でも使っていますね?。。

経済的な水準を指す言葉なので、気分を害さない人も勿論いますが、

自国を発展途上国と言われて嬉しい人がいるでしょうか?

心情的なことだけではなく、今思うと、どこを、何を基準にそう言っているのかわからなくなります。経済成長だけで生活の豊かさは計れないと、住んでみて思いました。

発展にはそれぞれ時差があって、方向性も同じでないかもしれません。

ただ、その反面、住所を持てない人が存在していたり、毎日茶摘みをしても月に数百円の報酬で暮らしている人々もいます。すぐにでも改善して欲しい問題もありました。

生活の中で、日本人としては几帳面さや日本の時刻通りの電車など、誇れることは多くあることを改めて知りました。

それと同時に、スリランカの文化は深く、接していた学生たちの勉強意欲、マナーなど、日本とは違うかもしれないですが、洗練されているとも言えました。

今は、平和になり、コロンボはコスモポリタンで観光都市でもあります。

スリランカはその印象が少ないと思いますが、社会主義国(民主社会主義共和国)でして、教育、医療は基本的には無料です。

そういう暮らし安さ、社会的なシステムからみても、一概に発展途上とは言えないと思うのです。

いつもになく社会派なことを書いてみました。

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ジャワ島のKeris

私が2年間居たジョグジャカルタには王室があり、王室由来の文化が受け継がれています。

そのうちの一つにkeris(クリス)という身分の高い人が着ける代々の家宝でお守りの様な剣があります。

男性の正装は、伝統衣装と腰にはKerisを着けます。

その剣の刃は、何種類もの金属を重ねて合金を作りそれを鍛え、更にクレープのように何重にも層にした後、表面を削り、作り出した模様が施されています。

何十種類もの模様が作り出され、それぞれの模様には名前があり、哲学的な云われがあります。

今は、その作りを伝承する職人が少なくなってしまったそうですが、縁あって、ジョグジャカルタ郊外の工房を訪ね、Keris作りを見せて貰いました。

土間の工房に炉があり、その中で何度も繰り返し真っ赤になるまで加熱され、職人にしか分からないタイミングでそれが取り出され、今度は打って伸ばしていきます。

その後、形成、研くと模様が現れます。これは、無形文化遺産に登録されています。

日本の伝統技法にも金属を合わせ削り出し、木目のような模様を作り出す作業があります。

Kerisは、剣の金属部が美しいですが、肢になる部分の形も多様で意味があり、綺麗に磨き込まれています。

また、剣を入れる鞘も装飾が混んでいて美しいです。

Kerisには日本に居る時から興味があったので、工房を訪ねることができて嬉しかったのですが、更にたまたま訪ねた王室直営のレストランでKeris 展を行なっていて100点以上の剣を見ることが出来、それらを作る職人と業者さんの展示販売も回ることが出来ました。ご縁に感謝です。

Kerisは数十万円するものが多く、買えるものではありませんでしたが、持つべき人が持つものらしいので、私にとっては、見るものだったのでしょう。

展示販売会で、記念に同じ技法で作ったUdan Emas – “金の雨が降る”という名前のプレートを買いました。写真の模様がその名前です。金の雨が降ってくるらしいので、今後に期待です。

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金属の膨張と収縮

ジュエリー作りで、金属の膨張と収縮を考慮しなければいけない工程があります。

それは主に、

◎ キャスト時に。。

形作ったワックスモデルがキャスト(鋳造)される際、融かしたシルバー、金、プラチナ等が、ワックスと置き換わる訳ですが、その融けた金属が冷え固まる時に収縮するので、ワックスの大きさよりわずかにちいさくなります。その為、ワックスで形を作る時は実際に依頼された大きさより収縮分大きく作ります。

◎ サイズ直し時に。。

これは、膨張と収縮だけでなく、分子の性質、組織の変化からだと思いますが、、

金属は、熱を加えると柔らかくなります。地金でリングを作る時やサイズ直しを行う時もは、まず熱を加え、柔らかくして接続面を合わせ、そこをロウ付けします。

その直後、一般的にはロウ付け面を綺麗にするために酸洗いをします。そこで冷やされることになります。その後、芯がねに通してサイズを合わせ形を整えます。その時、木槌でたたきますので、金属分子の配列が叩かれることによって変わります。金属は打つことで、硬さも増します。

その後、ろう付け面だけに火を入れると、金属の膨張とまた分子が動くことで、ろう付け面は離れてしまいます。例えば、以前サイズ直しをしたことのあるリングを再度サイズ直しする時に、以前直したロウ付け面が離れることがよくあります。

火を入れて、金属をなます作業、曲げる作業、冷やし収縮させる作業を繰り返すときには、金属粒子を変化させています。その時に、金属のハネや変形が起こります。

急激な変化は極力避けるか、全体的に熱を加えるなど、工夫をします。

◎ 別の金属同士をロウ付けする時に。。

収縮率の違う金属同士を繋ぎ合わせると、その金属が冷えた時にそれぞれの収縮の違いから、接続面で引っ張り合い、変形することがあります。特に広い面をはり合わせるようなロウ付けは、大きく歪むので気を付けなければいけません。

化学が苦手なわたしですから、沢山の実習と失敗から習得していますが、金属の性質を知らないと綺麗な作業に適いません。(^_^;)

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