アジアの工房

東・南アジアを旅行した時や住んでいた期間にジュエリーの工房を何度か訪ねる機会がありました。

ジュエリーのショップに工房が併設されて、製作工程が見られるようガラス張りになっている場合や、作業工程順に廻って見て貰う場合があります。

お客様に商品がオリジナルであることを知って貰うこと、製作工程を知ってもらうことで、更に商品に興味を持って貰い、信用が得られるからだと思います。

昔、香港の取引先の方から、仕事を依頼している工房に連れて行ってもらったのですが、そこでは職人が作業台に一列に向かい、職人さん同士、隣の人とのスペースは殆どありませんでした。作業するのに支障がない程度のスペースでした。

これは仕事・居住空間自体が十分でないから致し方無いのですが、どんなところでも働くというたくましさを感じました。

スリランカの田舎にある工房を訪ねた時は、シルバーの伝統的な作りをしていました。

ジュエリーの表面に粒金は並ぶような細かい作業でした。

昔ながらのロー付け装置と方法で器用に作っていました。

ハイテクとは程遠いのですが、熟練した人でなければ成せない作業でした。

以前にも述べましたが、シルバーは融点が低いので細かいものを沢山表面にロー付けすることや、修正をすることが難しいものです。

スリランカの大手の工場では、イカ(魚類)の干した?軟骨を型として利用していて、本当に国が変わると、珍しい素材を使うのだなぁ。と感心しました。

インドネシアの工房で、伝統的なデザインとしては、バティックのモチーフに見るような極細い線(ワイヤー)で全体が組み立てられているものがあります。

ごく細い銀線ですから傷つけないように作業をしなければいけません。また、小さく細かいパターンの組み合わせなので時間も十分必要です。

ロウ付けも勿論、気をつけなければすぐに溶けてしまいます。ロー付けをするためのロー材も息をひそめて置かないと、飛んで行ってしうような小ささでした。

仕上げでは、スリランカでもインドネシアでも同じ木の実を乾燥させ、木の実の表面をブラシで泡立てて、その泡で商品を洗い、仕上げています。

乾燥させた木の実。 この実を水に浸けたブラシでこすると泡立ち、それが汚れを落とします。 (インドネシアでは、バティック布を洗う時にも使います。)

今は、3Dプリンターなどハイテクな装置があり、すごく便利になり、かつてできなかった作業が簡単にできるようになりました。素晴らしいです。

その反面、企業では職人の技術を育てることが少なくなっているので、一貫した作業ができる職人さんは少なくなった聞きます。

なので、東南・南アジアの工房のように、ローテクな設備で高度な技術が生まれていることにもすごく感心します。

 

 

 

0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です